トップメッセージ
サステナビリティ経営に
向けた基本姿勢
当社グループは、飲食を通じた豊かな社会の実現を目指し、これまでSDGsを経営に組み入れ、企業収益の向上と社会や地球環境の改善につながる取り組みを進めてまいりました。現在はサステナビリティを経営の基盤と位置付け、SDGs活動もその一環として、事業活動を推進しております。
こうした考えのもと、「豊かな社会の実現」「地域や地球の持続性」「平和で公正な環境」の3つの重点領域を掲げ、「製品の安全安心」「コーヒー産地の保全」「気候変動への対応」「持続可能な調達」「資源循環型社会実現への貢献」「食品ロス削減」「多様な人材の活躍」「ガバナンスの強化」の8つのマテリアリティを設定しております。これらは、多様な事業を展開する当社グループにとって経営と密接に関わる重要課題であり、社会課題の解決と企業価値の最大化の両立を図るための経営基盤と考えております。
また、これまで進めてきたSDGsの取り組みも、本マテリアリティに基づく具体的な行動として位置付け、各事業の現場からサプライチェーン全体に至るまで展開しております。
今後もサステナビリティの取り組みを着実に推進し、事業成長と社会価値創出の両立を図りながら、外食産業の未来と豊かな社会の実現への挑戦を続けてまいります。
代表取締役社長
星野 正則
サステナビリティマネジメント
基本方針
サステナビリティの考え方
当社グループは、飲食を通じた豊かな社会の実現を目指す企業として、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、グループの中長期的な成長を支える基盤として、サステナビリティへの取り組みを推進しています。
こうした認識のもと、取締役会の監督下にサステナビリティ委員会を設置し、気候変動、人権、調達リスクなど、事業の持続性に関わる重要課題を継続的に把握・管理する体制を整備しています。
当社グループは、社会課題を大きく3つの領域「豊かな社会の実現」「地域や地球の持続性」「平和で公正な環境」に整理し、その下に、「製品の安全安心」「コーヒー産地の保全」「気候変動への対応」「持続可能な調達」「資源循環型社会実現への貢献」「食品ロス削減」「多様な人材の活躍」「ガバナンスの強化」の8つのマテリアリティを特定しました。
今後も、これらの重要課題への取り組みを通じて事業活動の高度化を図り、飲食を通じた新たな価値創造により、社会と当社グループ双方の持続的な発展を目指していきます。
推進体制
サステナビリティ推進体制
当社グループは、お客様、取引先、株主、従業員、それぞれのステークホルダーに満足いただき、食文化の創造と紹介を通じて環境・社会課題の解決と持続可能な社会の構築に貢献することを基本理念として、2022年3月にサステナビリティ委員会を設置しました。
サステナビリティ委員会は、当社取締役会で決定された6名で構成されており、委員長は当社取締役の中から選任されています。また、事務局は、当社、株式会社ドトールコーヒー及び日本レストランシステム株式会社から選任され、取締役会で決定しています。
サステナビリティ委員会は年2回開催し、グループのサステナビリティ活動に関する全体計画の立案、マテリアリティの特定及び進捗状況のモニタリング等を行い、その内容を定期的に取締役会へ報告・提言しています。また、必要に応じてリスク・コンプライアンス委員会へ報告することで、取締役会との連携を図っています。取締役会においては、進捗状況の妥当性等を議論・監督し、その内容を各種施策に反映しています。
マテリアリティ
マテリアリティの特定プロセス
サステナビリティに関する施策を推進するにあたり、既存取り組みの整理とこれから行うべき取り組みをまとめ、当社グループにとってのマテリアリティを抽出しました。
その上で、ステークホルダーにとっての重要度を取り入れるべく、お客様、取引先、株主、従業員をはじめとするさまざまなステークホルダーへのヒアリングを実施し、その結果をもとにステークホルダーにとっての重要度と、当社グループにとっての重要度の2軸の観点でマテリアリティを特定し、最終的に取締役会にて決議しました。
特定したマテリアリティと重要課題領域
特定した8つのマテリアリティは、基本理念に基づいた3つの重要課題領域(豊かな社会の実現、地域や地球の持続性、平和で公正な環境)に関連付けられており、当社グループはそれらを推進することで、基本理念の実現を目指しています。
スライドできます
| 重要課題領域 | マテリアリティ | 主な取り組み |
|---|---|---|
| 豊かな社会の実現 | 製品の安全安心 | 製品の安全安心の追求 |
| コーヒー産地の保全 | コーヒー生産者の労働環境保護 | |
| コーヒー生産国の生産環境保護 | ||
| 地域や地球の持続性 | 気候変動への対応 | 温室効果ガス排出の削減 |
| 持続可能な調達 | 責任ある調達に関する基本方針の推進 | |
| 環境保全に配慮した原材料の調達 | ||
| 資源循環型社会実現への貢献 | 脱プラスチックの推進 | |
| リサイクルの推進 | ||
| 食品ロス削減 | 流通在庫の食材廃棄削減 | |
| 平和で公正な環境 | 多様な人材の活躍 | 人材育成の推進 |
| ダイバーシティの推進 | ||
| ワークライフバランスの推進 | ||
| ガバナンスの強化 | コンプライアンスの徹底 | |
| リスクマネジメントの強化 |
行動規範
当社グループは、お客様、取引先、株主、従業員、それぞれのステークホルダーに満足いただき、そして食文化の創造と紹介を通じて社会に貢献することを基本理念としています。また、健全で透明度の高い経営、倫理や法令を遵守した企業活動を推進してまいります。
1.お客様
- 喜びと満足、やすらぎと活力を提供します。
- 常に最高の品質を追求し、安全で安心な価値ある商品を提供します。
2.お取引先様
お取引先様の繁栄発展のため価値ある情報・企画・システムを提供し、公正・透明・適正な取引関係を確立して共存・共栄を図ります。
3.株主様
長期的かつ安定的な成長を目標に、株主価値の向上、企業価値の最大化を目指し、透明性の高い企業活動を行います。
4.従業員
働きがい・やりがいを持って働くことができる職場づくりに努め、常に公正で適切な管理、指導、そして公平な評価を行い、能力の伸長に努めます。
5.法令遵守
法令、社会規範、社内規程を守り、高い倫理観に基づいて、社会に信頼される公正で良識ある企業活動に努めます。
6.地域社会
地域社会の一員であることを認識し、地域社会との調和や連携に努めるとともに、良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。
7.環境活動
- 生産、製造からサービス提供後までの事業活動において、省エネルギー、クリーンエネルギーの使用を推進します。
- 廃棄物の分別の徹底、減量、リサイクルを推進します。
- 商品開発において、地球環境との共生を図り、持続可能な商品調達を推進します。
- 環境に関する法規制を守り、情報を適切に開示して、環境活動を推進するコミュニケーションを図ります。
サステナビリティの取り組み
当社グループは、基本理念の実現に向け、サステナビリティを経営に組み込み、さまざまな取り組みを進めています。
定めた3つの重要課題領域は、マテリアリティの特定プロセスにおいてESGの視点を踏まえ、「豊かな社会の実現(S)」、「地域や地球の持続性(E)」、「平和で公正な環境(G)」として体系的に整理しています。
これらの領域の下に位置づけた8つのマテリアリティについては、具体的な施策を着実に推進することで、社会・環境・ガバナンスの各側面から価値創造を図り、持続可能な未来への貢献を積み重ねていきます。
豊かな社会の実現(S)
当社グループは、日々の店舗運営や商品提供を通じて、お客様に安心して選んでいただける体験と価値を届けることを重要な使命と考えています。食品の安全性や品質確保に対する社会的要請が高まるなか、原材料の背景にある産地の状況を理解し、適切な関係性を築くことは、当社グループの事業を支えるうえで欠かせない視点です。とりわけコーヒー焙煎事業を有する企業として、生産国における環境変化や労働環境の課題にも目を向けることは、将来的な調達の安定につながる重要なテーマとなっています。
こうした社会的な動きと事業特性を背景に、当社グループは重要課題領域「豊かな社会の実現」を掲げ、「製品の安全安心」と「コーヒー産地の保全」の2つのマテリアリティを中心に取り組みを進めています。前者では品質管理の着実な運用を通じて安全安心の確保に努め、後者では産地の実情理解や持続的な調達に向けた取り組みの強化など、長期的視点で体制・仕組みの整備を進めています。
これらの取り組みは、お客様に信頼される商品・サービスの提供に資するとともに、事業を支えるさまざまなステークホルダーへの責任を果たすうえでも重要です。当社グループは、飲食を通じて社会に豊かさを届ける企業として、社会から求められる責任に応えながら、持続的な価値提供の実現に努めていきます。
製品の安全安心
当社グループは、「常に最高品質を追求し、安全で安心な価値ある商品を提供する」ことを行動規範の一つとして掲げています。重大な製品事故の発生や法令違反、サプライチェーン上の品質管理不備といったリスクを認識し、これらを未然に防ぐために、製造から店舗でのお客様提供に至るすべてのプロセスで厳格な安全基準を適用するとともに、グループ全体で迅速な対応が可能な危機管理体制の整備を進めています。
また、安全で高品質な製品の提供による企業価値の向上、迅速な危機管理対応による社会的信用の維持といった機会を捉え、継続的な改善に取り組んでいます。
これらの取り組みを通じて、お客様に安全と安心を提供し、信頼関係を深めることで、企業価値の向上と持続的な成長を実現していきます。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 製品の安全安心の追求 | 重大な食品事故件数※ | 0件 | 毎年度 | 0件 |
- ※消費者の健康や安全に直接的かつ深刻な影響を与える可能性があり、広範囲でリコール等緊急対応が必要な事案
取り組み
店舗の衛生管理
ドトールコーヒーでは、食をつかさどる企業として最重要課題である「食の安全・安心」を確保するため、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理体制を仕組み化し、各種トレーニングツールを整備しています。
また、「毎日」「毎月」「毎年」の定期チェックを通じて、現場における衛生管理の徹底を図っています。
『衛生管理表』 『重要管理記録簿』 『清掃チェックリスト』に基づいた店舗自主管理
『サニタリーチェック表』を用いたドトールコーヒー本社調査員による抜き打ちチェック
外部業者を用いた衛生検査・害虫駆除
工場取得認証
お客様に安全・安心な商品を届けるために、ドトールコーヒーの焙煎工場では各種認証を取得しています。
FSSC22000【食品安全システム認証】
Food Safety System Certification 22000の略。消費者に安全な製品を提供することを目的に、食品安全管理を行うため取得。
- 2012年取得(関西工場)
- 2023年取得(関東工場)
ISO9001【品質マネジメントシステム認証】
製品やサービスの品質管理体制を構築し、継続的に改善することで、顧客満足の向上を目指すために取得。
- 2001年取得(関東工場)
- 2005年取得(関西工場)
有機JAS認証
農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品に表示。有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを貼付可能。
- 2006年取得(関東工場・関西工場)
コーヒー産地の保全
当社グループは、持続可能な事業活動を実現するための基盤として、コーヒー産地の保全をマテリアリティの中でも優先課題と位置づけています。気候変動の影響により、2050年にはアラビカ種コーヒーの栽培地が半減する可能性が指摘される「コーヒーの2050年問題」をはじめ、生産地の環境負荷や労働環境の悪化などにより、持続的な調達が困難になるリスクが高まっています。特に、生産量の減少に伴う供給不足は調達コストの上昇を招き、事業運営への影響が懸念されます。
こうしたリスクに対応するため、当社グループは、気候変動の影響を受けにくい生産地からの調達を含めた調達地域の多様化を検討し、安定供給の確保を図っていきます。同時に、生産者支援の強化や森林保全などの環境対策を推進し、持続可能な生産基盤を整えることで、コーヒー産地の保全にも取り組んでいきます。
これらの取り組みには一定のコストが伴いますが、公正価格での取引や生産者の生活環境の改善を通じて農園の生産性向上につなげることで、長期的にはコスト上昇リスクの抑制にも寄与すると考えています。また、公正価格での取引の推進や環境負荷の低減、生産者の労働環境改善は、安定的なサプライチェーンの構築や企業価値の向上、コーヒー事業の持続的成長につながる機会の創出にもつながると認識しています。
今後も、調達パートナーや現地コミュニティとの連携を一層強化し、コーヒー豆の持続可能な調達体制の構築を進めていきます。これらの取り組みは、品質及びブランド価値の向上を通じて来店動機の強化及び中長期的な店舗競争力の維持向上に寄与するものと認識しています。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| コーヒー生産者の労働環境保護 | サステナブル調達基準に基づいたコーヒー豆の調達率※ | 100% | 2035年度 | サステナブル調達基準策定に着手 |
| コーヒー生産国の生産環境保護 |
- ※自社基準を満たし、調達パートナーのサステナブル認証プログラムや第三者認証を経て調達したコーヒー豆の、店舗事業における自社ブランドの仕入重量に占める割合
取り組み
コーヒー豆のサステナブル調達
当社グループは、持続可能なコーヒーサプライチェーンの構築に向け、自社のサステナブル調達基準の策定を進めています。基準の設計にあたっては、現行の調達実態を踏まえた実効性を重視し、まずは運用可能な内容を整備したうえで、段階的な高度化により目標の確実な達成を目指します。
また、基準策定前の段階においても、店舗での期間限定商品や外販部門(目標対象外)において、サステナブルなコーヒー豆の調達に向けた取り組みを進めています。今後は、サプライヤーとの対話を通じて、持続可能な調達の実効性向上を図っていきます。
コーヒー生産国への支援
ドミニカ共和国 バラオナ・バオルコ山地
ドミニカ共和国バラオナ市郊外のバオルコ山地では、希少で文化的価値の高いティピカ種が栽培されていますが、生活環境の不便さや都市部への人口流出により、生産者は減少しています。ドトールコーヒーは、生産者の暮らしとティピカ種の保全を両立するため、以下の支援を継続して行ってきました。
- 2021年:村での無料歯科検診
- 2022年:産地へつながる道路整備
- 2023〜2024年:生活用水確保のためのインフラ整備
- 2025年:ティピカ種の苗木 約34,000本寄贈
コロンビア共和国 ウィラ県・トリマ県・アンティオキア
外販部門では、olam food ingredients社のサステナブルプログラム「AtSource」に対応したコーヒー豆を使用し、製品を通じて生産地の営農支援やインフラ整備に取り組んでいます。具体的には、以下の支援を実施してきました。
- 2022年:コロンビア・ウィラ県で、中小農家110軒を対象に、発酵〜乾燥の品質管理を支援する器具キットと講習を提供
- 2023年:コロンビア・トリマ県で、雨期増水時の安全確保のため、農家120軒が利用する地域の川に橋を建設
- 2024年:コロンビア・アンティオキアで、105軒の農園を対象に土壌分析を実施し、適切な土づくりに向けた推奨と管理方法を提案
地域や地球の持続性(E)
当社グループは、食文化を担う企業として、事業活動が地球環境に与える影響を重要な経営課題と捉えています。気候変動の激甚化や資源の枯渇、生物多様性の損失といった地球規模の環境リスクは、原材料の安定調達やサプライチェーン全体の持続性に直接影響し、事業継続の観点からも早期かつ継続的な対応が求められる領域です。
こうした社会的要請と事業リスクを踏まえ、当社グループは重要課題領域「地域や地球の持続性」を中核に据え、環境負荷低減と企業価値向上を一体で推進しています。本領域では、「気候変動への対応」「持続可能な調達」「資源循環型社会実現への貢献」「食品ロス削減」という4つのマテリアリティを中心に、温室効果ガス削減、資源の効率的利用と循環、サプライチェーンにおける倫理性の確保、廃棄物及び食品ロスの最小化など、環境課題の解決に向けた取り組みを着実に進めています。
これらの取り組みは、環境リスクの低減にとどまらず、安定した原材料調達、店舗運営の効率化、コスト構造の改善、さらにはブランド価値向上にもつながるものです。当社グループは、素材・エネルギー・資源が持続的に循環する社会の実現を目指し、サプライチェーン全体と連携しながら、未来にわたり安心・安全で豊かな食文化を提供し続けるための基盤づくりを進めていきます。
気候変動への対応
当社グループの事業は、コーヒー豆をはじめとする原材料の調達や生産・物流プロセスにおいて、気候変動の影響を受ける可能性があります。気候変動は世界的な課題であり、当社グループの事業及び中長期的な戦略にも重要な影響を及ぼし得ることから、重要課題の一つとして認識しています。
そのため、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言を踏まえ、シナリオ分析を実施し、気候変動がもたらす主なリスクと機会を評価しました。今後も、分析結果を踏まえた対応策の検討を進め、開示内容の充実と取り組みの高度化を図っていきます。
シナリオ分析の前提
当社グループは、気候変動に伴うリスクと機会について、その重要性に応じて短期・中期・長期の時間軸で特定しました。今後も、社会環境の変化や事業の進展を踏まえ、分析・評価の見直しを継続的に実施していきます。
リスクと機会の特定にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)等が公表する複数のシナリオを参照し、当社グループ事業への影響を評価しました。その際、移行リスク、物理リスク及び機会の3区分で整理し、各カテゴリーごとに想定事象、事業への影響、影響度・発現時期、主な対応の方向性を整理しています。
特定したリスク及び機会
スライドできます
| リスク・機会 | 事業への影響 | 影響度 | 発現時期※ | 対応策 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 移行リスク | 法規制 ・政策 |
炭素税の導入による素材コストの上昇 | 炭素税の適用により、包装資材や原材料のコストが上昇し、売上原価が上昇 | 中 | 中期 |
|
| エネルギーコストの上昇 | 脱炭素化の進展に伴うエネルギー需給の変化により、石油や電力価格が上昇し、店舗や工場のエネルギーコスト上昇を通じて事業運営に影響を及ぼす可能性 | 中 | 中期 |
|
||
| 市場 | 環境に配慮した商品に対する消費者のニーズ拡大 | 環境配慮型商品の需要増加への対応が不十分だと、消費者の支持を得られず、競争力の低下や消費者離れを招き、収益減少の可能性 | 中 | 長期 |
|
|
| 気候変動対応の遅れに対する顧客・株主の懸念の高まり | 気候変動への対応が不十分な場合、企業の評価が低下し、企業価値の毀損や株価下落のリスクが発生 | 中 | 中期 |
|
||
| 物理リスク | サプライチェ|ン | 異常気象による自然災害の頻発・甚大化 | 工場や店舗の浸水リスクが高まり、操業停止や撤退の可能性に加え、資産への損害発生の恐れ | 大 | 中〜長期 |
|
| 自然災害によるサプライチェーンの分断により、店舗の営業停止や販売先への供給不全が発生 | 大 | 中〜長期 |
|
|||
| 気候変動の影響により、小麦・パーム油などの生産量が減少し、原材料価格が高騰する可能性 | 中 | 中〜長期 |
|
|||
| 気候変動の影響によるコーヒー豆生産量の減少や調達の困難化に伴い、原価が上昇し、収益が低下する恐れ | 大 | 長期 |
|
|||
| 機会 | 商品 | 環境に配慮した商品の需要拡大 |
|
中 | 長期 |
|
| サプライチェ|ン | サプライチェーン全体における輸送の効率化 | AI・IoTを活用したサプライチェーンの大規模な最適化や、電池など電動車関連技術の採用による物流の変革 | 中 | 中期 |
|
|
- 発現時期:●短期 3年以内、●中期 2030年度まで、●長期 2050年度まで
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 温室効果ガス排出の削減 | 温室効果ガス排出量削減率※1 | スコープ1.2の排出量を2013年度対比46%削減※2 | 2030年度 | ▲31.4%※2 |
- ※1「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」及び「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」における温室効果ガス排出量の報告義務のある3社(株式会社ドトールコーヒー、日本レストランシステム株式会社及び株式会社サンメリー)を対象
- ※2省エネ法・温対法における温室効果ガス排出量定期報告に基づく2023年度の実績
(基準年度:2013年度91,936t-CO2、実績年度:2023年度63,109t-CO2)
取り組み
実質再生可能エネルギーの導入
当社グループは、オフィス及び店舗の約130拠点において、しろくま電力(ぱわー)による実質再生可能エネルギー100%の電力を導入しています。これにより、2025年2月期には約7,700トン※のCO2排出量を削減することができました。
今後も、実質再生可能エネルギーのさらなる導入をはじめとした取り組みを通じて、CO2排出量の一層の削減に努めていきます。
- 日本全国平均のCO2排出係数をもとに算出。
省エネ対策
ドトールコーヒーでは、店舗の運営において空調設備やコンベアトースターの更新を進め、サイン看板や店内照明にLEDを導入することで、省エネに配慮した店舗設計を推進しています。
オフィスでも、空調設備の更新に加え、照明のLED化を進めることで、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。
工場では、省エネ性能の高い設備への切り替えやエネルギー管理システムの導入を通じて、計画的にエネルギー使用量の削減を図っています。
持続可能な調達
当社グループは、サプライチェーンにおける環境・社会課題への対応が求められる中、調達プロセスの透明性欠如による信用低下、環境負荷の高い原材料使用による規制対応コストの上昇といったリスクを認識しています。一方で、持続可能な調達基準の導入による競争優位性の確立、エシカル消費の拡大による市場機会の創出、環境配慮型原材料の採用によるコスト最適化と規制対応の推進といった機会も見出しています。
これらのリスクを回避し、機会を最大限に活かすため、当社グループはグループ全体で「サプライヤーガイドライン」の策定・運用の整備を進めています。そのガイドラインに基づき、サプライヤーとの対話・評価を通じたエンゲージメントを深めることで、調達プロセスの透明性と公正性を確保し、人権や労働環境への配慮、地域社会との共生を重視した取り組みを推進していきます。
また、環境保全に配慮した原材料の積極的な採用を通じて、温室効果ガスの削減や生態系の保護に努め、次世代に向けた持続的な発展の実現を目指していきます。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 責任ある調達に関する基本方針の推進 | サプライヤーガイドラインに基づいた調達 | 主要取引先と運用できている状態 | 2028年度 | サプライヤーガイドライン策定に着手 |
| 環境保全に配慮した原材料の調達 | お客様に提供する主な紙資材の認証紙採用率 | 100% | 2028年度 | 49.6% |
取り組み
認証紙の採用
紙資材の認証紙化のみならず、従来プラスチック製だったテイクアウト用のマドラーやアイスドリンクカップも、一部認証紙製に切り替えています。
さらに、コンビニエンスストアやスーパーで販売しているチルドカップ製品では、一般的にプラスチック容器が主流のチルド飲料において紙容器の採用を始めており、その際使用する紙については認証紙への切り替えを進めています。
資源循環型社会実現への貢献
当社グループは、資源循環型社会の実現に向けた取り組みを推進するにあたり、環境対応に関する規制強化に伴う対応負担の増大、資源枯渇に伴う調達リスクの拡大、さらに環境負荷への対応不足に対する批判による企業イメージの低下をリスクとして認識しています。一方で、環境意識の高まりに伴う市場機会の拡大、資源利用の効率化によるコストの削減、資源循環の促進による企業価値の向上を機会と捉えています。
これらのリスクに対応するため、当社グループはグループ全体で使い捨てプラスチック容器や包装資材の使用量削減を進めるとともに、紙製やバイオマスプラスチックといった環境配慮型の代替素材への切り替えを推進しています。また、廃棄物削減やリサイクルの促進を通じて資源の効率的な活用を図り、自社工場では食品廃棄物のリサイクル率向上や製造工程の改善を通じた実効性の向上に努めています。
さらに、これらの取り組みにより、環境負荷の低減だけでなくコスト削減にも寄与し、資源循環の促進による企業価値の向上にもつなげていきます。持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値を高めることで、お客様や社会からの信頼を獲得し、資源循環の促進を一層推進していきます。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 脱プラスチックの推進 | お客様に提供する主なプラスチック資材におけるバージンプラスチック使用量の削減※1 | 2018年度対比30%以上削減※2 | 2028年度 | ▲15.1%※2 |
| リサイクルの推進 | 自社コーヒー焙煎工場の製造過程で生じる廃棄物のリサイクル率 | 100% | 2030年度 | 91.5% |
- ※1お客様に提供する量が多く、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」における容器包装利用の報告義務のある3社(株式会社ドトールコーヒー、株式会社サンメリー、D&Nコンフェクショナリー株式会社)を対象
- ※2容器包装リサイクル法等に基づく2023年度の実績をもとに算出(対比年度:2018年度1,694t、実績年度:2023年度1,434t)
取り組み
脱プラスチックの推進
テイクアウト用マドラーやアイスドリンクカップ、チルド飲料容器など、従来プラスチックを使用していた資材について、紙容器への切り替えを進めています。また、店舗で使用するストローの多くをバイオマスプラスチック製に変更しました。
さらに、チルドカップ製品では、バイオマスストロー・バイオマスインキの採用やアルミ蓋の薄肉化を進め、バージンプラスチック使用量の削減に取り組んでいます。
これらの取り組みを通じて、紙素材の活用や薄肉化、バイオマス・再生PETの導入により、バージンプラスチックの削減を推進しています。
リサイクルの推進
自社コーヒー焙煎工場
ドトールコーヒーでは、コーヒー焙煎工場で発生する廃棄物のリサイクルを進めています。焙煎豆を粉砕する際に出るチャフ(豆の薄皮や微粉)は、これまで肥料や牧場の敷料として100%リサイクルしてきました。
また、生豆輸入に使う麻袋も、固形燃料としての活用をはじめ、養蜂家の燻煙燃料や災害用土嚢など、さまざまな用途で再利用しています。
こうした取り組みの一環として、東武動物公園へチャフや麻袋を提供し、動物たちの寝床や遊具として活用されるなど、リサイクルの幅を広げています。
廃油リサイクル
ホールディングス傘下のレストラン業態の店舗では、毎日多くの揚げ油を使用します。その使用済みの食用油を回収し、工業用石鹸や家畜などの飼料、肥料の原料へとリサイクルする活動に取り組んでいます。2023年度は店舗とセントラルキッチンの合計で約70.6トンの廃油がリサイクルされました。
抽出後のコーヒー粉の一部を再利用
ドトールコーヒーでは、チルドカップ製造時に発生する抽出後のコーヒー粉を再利用し、製造委託先とともに堆肥化に取り組んでいます。この堆肥は静岡県の生産者と連携して「やぶきた茶」の栽培に活用され、細根の増加など良好な研究結果も得られています。
コーヒー粉のさらなる活用可能性を探りながら、「おいしさ」だけにとどまらない持続的な取り組みを進めています。
ユニフォームの一部にリサイクル素材を使用
2024年12月にリニューアルしたドトールコーヒーショップのユニフォームは、スタッフの声を取り入れ、機能性・デザイン性に加えてジェンダーレスな設計を採用しています。
また、生地の一部には漂着ペットボトルを再生した「UpDRIFT®」※を使用しています。
日常的に着用するユニフォームを通じて、環境への意識向上と働く誇りにつながることを目指しています。
- UpDRIFT®(アップドリフト):豊島株式会社の再生繊維。クリーンアップ活動で回収した漂着ペットボトルごみを、アパレル製品の原料となる糸へ再生する取り組み。
環境にやさしい店づくり
一部のドトールコーヒーショップやエクセルシオール カフェでは、環境配慮型の店づくりを進めています。抽出後のコーヒー粉とコルクを混ぜた天然由来素材をテーブル什器に使用したり、廃棄衣料を再資源化したリサイクルボードをカウンターに採用するなど、廃材の有効活用を進めています。
また、資材メーカーで廃盤となったクロスやタイルを積極的に採用することで、サプライチェーン全体での廃棄削減にも取り組んでいます。
食品ロス削減
当社グループは、食品廃棄の削減と食材の有効活用を通じて、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
食品ロスへの対応については、リスクと機会の両面から認識し、適切な対応を進めています。
まず、リスクとして、食品ロスに関する規制強化に伴う対応負担の増大や、消費者意識の変化に伴う企業イメージの低下などを認識しています。これに対応するため、当社グループでは、消費期限の見直しや調理プロセスの改善により食品廃棄の削減を推進するとともに、サプライチェーン全体で取引先と連携し、需要に応じた最適な流通量の確保に取り組んでいます。
一方、機会として、適切な在庫管理や調理プロセスの最適化によるコスト抑制、フードバンクへの寄付などを通じた企業価値の向上を認識しています。これらの機会を最大限に活用するため、当社グループは食品ロス削減に向けた施策の導入及び取引先との協働強化を進め、環境負荷の低減と企業価値向上の両立を図っていきます。
今後も食品廃棄の削減を継続的に推進し、お客様及び社会からの信頼向上と持続可能な社会の実現に貢献していきます。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 流通在庫の食材廃棄削減 | 食材廃棄率※ | 0.1% | 毎年度 | 0.08% |
- ※食材廃棄率=年間食品仕入総重量に対する廃棄重量比率
事業特性上多くの食材を仕入れ、長期にわたり流通在庫を抱える必要のある株式会社ドトールコーヒーを対象
取り組み
流通在庫の食材廃棄削減
ドトールグループでは、複数の業態で1,200店舗以上を展開しており、仕入れる食材の量も多く、長期間にわたり流通在庫を抱えることがあります。こうした課題に対応するため、需要に応じた最適な流通量を確保し、食品ロスを削減することを目指しています。
当社グループは、サプライチェーン全体で取引先と連携し、在庫管理の精度向上や廃棄削減に取り組むことで、資源の有効活用と持続可能な調達を推進しています。
フードバンク支援
厚生労働省の「2022年 国民生活基礎調査」によると、日本では子どもの約9人に1人が貧困状態にあり、特にひとり親世帯では約44%がその影響を受けているとされています。一方、農林水産省及び環境省の推計(2022年度)によれば、国内では年間約472万トンもの「まだ食べられる食品」が廃棄されており、その焼却に伴うCO2排出も、環境への大きな負荷となっています。
ドトールグループでは、メニューの見直しや販売状況の変化により、やむを得ず食材や調味料が余剰となる場合があります。こうした背景から、「食品ロスの削減」と「貧困対策」の両立を目指す「特定非営利活動法人フードバンクTAMA」の理念に共感し、2021年9月より、当グループ内で発生した未使用食材の定期的な寄付を行っています。2025年3月時点で、当グループからの寄付総量は18トンを超えました。今後もこの取り組みを継続し、社会課題の解決と持続可能な地域づくりに貢献していきます。
「TABETE」の導入
エクセルシオール カフェでは、充実したラインナップでお客様に商品を選ぶ楽しさを提供する一方で、店内で調理するサンドイッチ類などは販売期限が設けられており、期限を過ぎると販売することができないため、やむなく廃棄せざるを得ない場合があります。
また、配送時や陳列時に割れてしまったり、賞味期限が理由で販売できない焼き菓子など、まだ食べられるのに捨ててしまうのは“もったいない”店舗での食品廃棄に課題を抱えていました。
このような食品廃棄の課題を受け、エクセルシオール カフェでは、フードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」の趣旨に賛同し、2021年8月から直営店で導入を開始しました。
このサービスは、“もったいない”という想いに共感してくださるお客様と店舗とを、アプリを通じてマッチングする仕組みです。
さらに、2024年6月からはグループ業態であるAUXBACCHANALES(オーバカナル/一部店舗を除く)にも展開を広げています。今後も、店舗での食品ロス削減を通じて、お客様とともに持続可能な社会の実現を目指してまいります。
割引販売の導入
ドトールコーヒーショップ全店とエクセルシオール カフェのFC店では、2021年11月より一部商品の割引販売を導入しています。対象商品は当日に消費期限を迎えるデニッシュ、焼き菓子、サンドイッチ等の袋詰め商品で、割引販売の実施の有無は各店舗の判断に委ねています。開始時間や割引率(10%・20%・30%の3種類)は、当日の販売状況によっても異なります。まだ食べられるものをできるだけ廃棄させない施策を本部として用意し、地道にフードロス削減に貢献していきます。
平和で公正な環境(G)
当社グループは、持続的な企業成長の基盤は「人」と「組織」の健全性にあると考えています。法令遵守とリスクマネジメントが徹底され、誰もが安心して働ける環境が整ってこそ、日々の店舗運営や商品・サービスを通じた価値提供が安定的に実現します。また、多様な価値観をもつ従業員が能力を発揮し、相互に尊重し合う職場づくりは、外食産業におけるサービス品質や顧客体験の向上にも直結する重要な取り組みです。
こうした考えのもと、当社グループは重要課題領域「平和で公正な環境」を設定し、「多様な人材の活躍」と「ガバナンスの強化」という2つのマテリアリティを中心に施策を推進しています。従業員一人ひとりの働きがいを高める人材育成やダイバーシティ推進、ワークライフバランスの支援に加え、コンプライアンス違反ゼロの徹底、BCPに基づくリスクマネジメントの強化など、組織の透明性と健全性を高める取り組みを着実に進めていきます。
これらの取り組みは、従業員が安心して働ける環境づくりに資するだけでなく、企業としての説明責任の確保、経営判断の質の向上、社会からの信頼獲得にもつながるものです。当社グループは、従業員・お客様・取引先・地域社会のすべてのステークホルダーに対して公正で開かれた姿勢を貫きながら、持続可能な社会の実現に寄与する企業として、健全で透明性の高い運営体制の確立に努めていきます。
多様な人材の活躍
当社グループは、人的資本経営に関して以下の方針のもと、「人材育成の推進」「ダイバーシティの推進」「ワークライフバランスの推進」に取り組んでいます。
人材育成方針
当社グループは、飲食を通じた豊かな社会の実現を目指し、サステナビリティの取り組みを着実に推進するとともに、事業成長と社会価値創出の両立を図りながら、外食産業の未来創造に取り組んでいます。これらの実現には、経営理念を体現できる人材の育成が不可欠であり、特に、当社グループの売上の約7割を占めるコーヒー関連事業においては、社員のコーヒーに関する知識・スキル向上が事業成長の鍵となります。しかしながら、人材の流出や採用難による事業成長の停滞や、業務品質のばらつきによる顧客満足度の低下が生じるリスクを認識しています。
このリスクへの対応として、グループ全社員向けの「ドトール・日レスコーヒーアカデミー」を開設し、研修機会を提供するとともに、役職・役割に応じたスキルアップ支援を行っています。また、業態ごとの接客コンテストを実施し、社員だけでなくパート・アルバイト(以下、パートナーとする)も含めた全従業員が経営理念を体現できる環境を整備し、組織の一体感を醸成することで、エンゲージメント向上を図っています。
さらに、ジョブローテーションや管理職研修を通じて成長機会を均等に提供し、多様な人材の活躍を促進することで、企業競争力の向上及び店舗運営力の強化につなげています。これらの取り組みにより、従業員が自身の成長を実感し、自社への誇りを醸成することで、モチベーションの維持・向上を図り、優秀な人材を確保・定着させ、持続的な成長を実現していきます。これら人的資本への投資は、店舗オペレーション品質及び顧客満足度の向上を通じて既存店売上の安定化に寄与する重要な経営基盤であると認識しています。
社内環境整備方針
当社グループは、多様な価値観を持つ人材が、それぞれのライフステージに応じた柔軟な働き方を選択できることが、企業の持続的な成長につながると考えています。一方で、働き方の多様化は組織運営の複雑化や業務効率の低下といったリスクを伴い、対応が遅れると社会的評判の悪化や企業価値の低下につながる可能性があります。
このリスクを回避し、企業競争力を高めるため、地域限定社員や時短勤務、在宅勤務制度の導入に加え、正社員を対象としたLTD保険制度(長期障害所得補償制度)や、パートナーを対象とした退職金制度など、多様な人材が安心して働ける環境整備を進めています。
さらに、勤務年数に応じた永年表彰制度や、経営理念に基づく優秀社員表彰制度を通じて従業員のエンゲージメントを高め、組織の一体感を強化することで、モラルの低下や働く意欲の減少による生産性の低下を防いでいます。
企業文化の浸透により自社への誇りを醸成し、社会的評判の向上を通じて優秀な人材の確保につなげるなど、これらの取り組みにより企業の持続的成長を支えていきます。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| 人材育成の推進 | コーヒー研修受講率※ | 30%以上 | 2030年度 | 15.3% |
| ダイバーシティの推進 | 女性管理職比率 | 30%以上 | 2030年度 | 9.0% |
| ワークライフバランスの推進 | 男性の育児休暇取得率 | 50%以上 | 2030年度 | 45.5% |
- ※コーヒー研修は、年間60名程度を選出し一定期間に渡り座学及び実技研修を実施
コーヒー研修受講率=コーヒー研修受講者数累計÷年度末在籍社員数×100
取り組み
人材育成の推進
従業員一人ひとりの能力向上と成長を支援するため、計画的な研修やキャリア開発プログラムを実施しています。特に専門知識やスキルの習得、リーダーシップ育成に重点を置き、従業員がやりがいをもって働ける職場環境の実現に努めています。
コーヒー教育
当社グループの売上の約7割を占めるコーヒー関連事業では、社員のコーヒーに関する知識・スキルの向上が事業成長の鍵となるため、全社員向けに「ドトール・日レスコーヒーアカデミー」を開設し、研修の受講を推進しています。また、スペシャルティコーヒー協会が定める基準に基づいてコーヒーを評価できる、コーヒー品質研究所(CQI)の認定資格「Qアラビカグレーダー」の取得支援も推進しています。
スキル及びエンゲージメントの育成
ドトールコーヒーでは、ドトールコーヒーショップとエクセルシオール カフェにおいて、接客やオペレーションレベルを競うCSアワードを開催しています。
また、エクセルシオール カフェでは、コーヒー抽出技術の向上を目的としたバリスタコンテストも実施しています。
これらのコンテストの開催を通じて、スキルの向上のみならず、その過程を通じてパートナーや社員が働くことの誇りや働きがいの向上につなげています。
ダイバーシティーの推進
性別、年齢、国籍、経験の多様性を尊重し、組織の多様性向上に取り組んでいます。女性管理職比率の向上や、障がい者雇用の拡大など、組織全体で公平な機会の確保に努めることで、多様な視点や価値観を活かした意思決定を促進しています。
ワークライフバランスの推進
従業員が仕事と生活の両立を図れるよう、柔軟な働き方の導入や育児休暇の取得促進、休暇制度の充実などを推進しています。男性の育児休暇取得率向上など、ジェンダーにとらわれない働き方の実現を通じて、誰もが安心して働ける職場環境を整備しています。
ドトールグループでは、勤務地を選べる一般職制度、自分で手を挙げて異動ができるジョブローテーション制度、ショップのオーナーを目指す独立支援制度があります。また、在宅勤務やフレックスタイム制の導入を通じて、働き方改革のさらなる実現を目指しています。
働きがいの創出
ドトールコーヒーでは、従業員が安心して長く働ける環境づくりを重視し、従業員それぞれの働き方に応じた制度を整備しています。
社会保険に加入するパートナーを対象とした退職金制度では、会社負担の掛金に加えて従業員自身が任意で積み立てできる仕組みを設け、長期勤続を支援しています。飲食業界では珍しい取り組みであり、ライフプラン設計を後押しすることで、パートナーに安心感と誇りを提供しています。
正社員を対象としたLTD保険制度(長期障害所得補償制度)では、病気やケガで長期間働けなくなった場合に所得を補償する体制を整えています。これにより、正社員は万が一のリスクに備えながらキャリアを継続できる安心感を得られます。
このように、パートナーと正社員それぞれに応じた制度を整えることで、従業員一人ひとりが「ここで働き続けたい」と感じられる職場環境を実現しています。
ガバナンスの強化
当社グループは、ガバナンスの強化を通じた持続可能な企業経営を推進し、長期的な企業価値の向上を目指しています。
このため、法的制裁や企業の信頼喪失につながるコンプライアンス違反のリスク、事業継続を脅かす危機的状況への対応不足のリスク、経営の透明性が損なわれるリスクを重要課題として認識しています。
一方、コンプライアンス体制の強化による企業の信頼性向上、リスクマネジメントの徹底によるステークホルダーからの信頼確保、適切な内部統制の確立による持続可能な経営基盤の強化といった機会を認識しており、これらを通じて企業価値の向上を図っていきます。
これらのリスク及び機会に対応するため、当社グループは「コンプライアンスの徹底」と「リスクマネジメントの強化」を基盤としたガバナンス体制を構築しています。具体的には、コンプライアンス違反の未然防止に向けた内部統制の徹底に加え、突発的な危機事象への対応力強化を目的として、グループ全体で事業継続計画(BCP)の策定を進め、組織のレジリエンス向上に努めています。
これらの施策により、ステークホルダーからの信頼確保と企業価値の向上を図るとともに、事業の安定性及び持続的成長を目指します。
スライドできます
| リスク | 機会 |
|---|---|
|
|
指標及び目標
スライドできます
| 主な取り組み | 指標 | 目標値 | 達成年度 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|---|
| コンプライアンスの徹底 | 経営に重大な影響を与え、企業価値を大きく毀損するコンプライアンス違反件数※ | 0件 | 毎年度 | 0件 |
| リスクマネジメントの強化 | BCPに基づいたリスクマネジメント | BCPに基づいたリスクマネジメントが運用できている状態 | 2028年度 | BCP策定に着手 |
- ※法令・規制・倫理基準の逸脱により、巨額の損失、信用の失墜、取引停止、従業員士気の低下など、事業継続や成長に深刻な悪影響を及ぼす行為の件数
取り組み
コンプライアンスの徹底
当社グループは、事業活動を行ううえで最も重要な基盤の一つとして、法令遵守と企業倫理の徹底を位置づけています。お客様、取引先、従業員、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまからの信頼を損なうような重大なコンプライアンス違反を防止することは、企業としての社会的責任であると同時に、持続的な成長に不可欠な要素です。
当社グループは、コンプライアンスの実効性確保に向け、以下の取り組みを推進するとともに、重大なコンプライアンス違反の未然防止に努め、誠実かつ透明性の高い企業活動の推進を図っていきます。
| グループ行動規範に基づく 基本行動の明確化 |
役職員が遵守すべき価値観・行動基準を明文化し、日々の業務への浸透を図っています。 |
|---|---|
| 研修・啓発活動の実施 |
コンプライアンスに関する教育を計画的に実施し、理解促進と意識向上を図っています。 |
| 内部通報制度の運用 |
誰もが安心して相談・報告できる環境を整備し、不正や懸念事項の早期発見につなげています。 |
| 内部監査によるチェックと 改善提案 |
業務プロセスや管理体制を定期的に点検し、課題の改善と仕組みの高度化を進めています。 |
- 詳細は法定開示資料にて公表しています。
リスクマネジメントの強化
当社グループは、多様な事業を展開する企業として、事業継続を脅かすさまざまなリスクを適切に管理することを重要な経営課題と位置づけています。自然災害、感染症、サプライチェーンの混乱、情報セキュリティ、法規制の変化など、多様なリスクへの備えは、ステークホルダーの皆さまに安定した価値提供を継続するために不可欠です。
当社グループは、リスクマネジメントの実効性向上に向け、以下の取り組みを推進するとともに、事業継続を脅かすリスクの未然防止と影響の最小化に努め、事業の安定性確保と信頼性の高い企業運営の実現を図っていきます。
| リスクの特定と評価の定期実施 |
事業環境の変化を踏まえ、各リスクの発生可能性や影響度を継続的に把握しています。 |
|---|---|
| 事業継続計画(BCP)の整備と運用 |
自然災害や感染症などの緊急事態に備え、BCPの策定・整備を進めるとともに、対応体制の構築及び実効性の向上に取り組んでいます。 |
| 危機発生時の 迅速な対応体制の構築 |
緊急時の指揮命令系統や情報共有プロセスを確立し、被害の最小化と早期復旧を目指します。 |
| 内部監査との連携による 改善の継続 |
リスク管理状況を点検し、改善策の実施状況をフォローすることで、リスクマネジメントの質を高めています。 |
- 詳細は法定開示資料にて公表しています。
CONTACT
